クライシス
―― 一月三日十時二十五分 北朝鮮南東部海岸沿い――
 雄介は夜道を走り続けて、やっと自衛隊とのランデブーポイントに到着した。小さな漁港で、人も殆どいない。
 雄介は車を停めると地図を見た。ポイントはこの漁港。時間まで後三十五分。どうやら間に合った様だ。
 雄介がホッと溜め息をついていると、突然声をかけられた。
「こんにちは兵隊さん」
 雄介はびっくりして振り向く。見ると、どうやら漁村に住む老人であった。
「こんな所でお仕事ご苦労様です」
 老人は笑いながら言う。雄介は少し安心して笑った。
「いえいえ、ちょっとした任務でね」
 雄介が答えると老人は微笑んだ。
「ウチでお茶でもいかがかな?」
 老人がそう言って雄介を家に誘う。
「ありがたいんですが、任務がありまして」
 雄介は固辞した。
「そうですか。それは仕方がありませんな」
 残念そうに言うと、お辞儀をして元来た道へと戻る。雄介はそれを見送り、海の方に目を向けた。
 どこから来るんだろう?雄介がそう思っていると突然、後頭部に衝撃を受けた。雄介はそのまま倒れ込む。







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