クライシス
―― 一月十日十時二十五分 大阪市北区――
雄介と井上はパトカーのサイレンを鳴らしながら、梅田に急行していた。
雄介が木下に違和感を感じたのは一昨日の事だ。思わず井上に木下を紹介する際に、「ゼロの」と言ってしまった。あの時はボーとしていて、特に深く考えなかった。だが、あれは諜報活動に関わる者としては最低な行為であった。絶対に『ゼロ』の名前は出してはいけない。同じ警察官でも駄目だ。
雄介は本当にうっかりしていた。しかし、木下がそれを注意しないのは尚おかしい。それが第一の違和感だ。
第二として、足音だ。木下は三宅に足を撃たれてから、軽く足を引きずる様になった。足を痛めた後に癖になったらしい。しかし、昨日はそのクセが無かった。普通にツカツカと歩いていた。
そして、最後に木下が言ってた言葉だ。
雄介が「木下さんも色々尋問されたんですか?」と尋ねた時に木下は「根堀り葉堀り聞かれた」そう言っていた。それが頭に引っかかっていた。井上は自分には簡単な質問しかしなかった。当然だ。全警察官に対して根掘り葉掘り聞いていたのでは、とてもじゃ無いが終わらない。だから、簡単な質問しかしない筈だ。
だから昨日井上も自分に対して簡単な質問しかしなかった。それを根掘り葉掘りとは、どう考えてもおかしい。
雄介は先程、部屋に踏み込む前に井上に尋ねた。
雄介と井上はパトカーのサイレンを鳴らしながら、梅田に急行していた。
雄介が木下に違和感を感じたのは一昨日の事だ。思わず井上に木下を紹介する際に、「ゼロの」と言ってしまった。あの時はボーとしていて、特に深く考えなかった。だが、あれは諜報活動に関わる者としては最低な行為であった。絶対に『ゼロ』の名前は出してはいけない。同じ警察官でも駄目だ。
雄介は本当にうっかりしていた。しかし、木下がそれを注意しないのは尚おかしい。それが第一の違和感だ。
第二として、足音だ。木下は三宅に足を撃たれてから、軽く足を引きずる様になった。足を痛めた後に癖になったらしい。しかし、昨日はそのクセが無かった。普通にツカツカと歩いていた。
そして、最後に木下が言ってた言葉だ。
雄介が「木下さんも色々尋問されたんですか?」と尋ねた時に木下は「根堀り葉堀り聞かれた」そう言っていた。それが頭に引っかかっていた。井上は自分には簡単な質問しかしなかった。当然だ。全警察官に対して根掘り葉掘り聞いていたのでは、とてもじゃ無いが終わらない。だから、簡単な質問しかしない筈だ。
だから昨日井上も自分に対して簡単な質問しかしなかった。それを根掘り葉掘りとは、どう考えてもおかしい。
雄介は先程、部屋に踏み込む前に井上に尋ねた。