クライシス
雄介は顔を上げた。その時雄介の目に何かが映った。
 これだ……!雄介の目が見開く。
 雄介は警官に叫んだ。
「捜査員全員は防菌服、ないしは酸素マスクを着用して下さい!」
 警官が驚く。
「それから、外傷を負った人はすぐに絆創膏をして!絶対に空気中に傷を晒さないで!」
 雄介の叫びに井上は反応した。
「言う事を聞け!この人はウイルスの専門家や!早く言う通りに動け!」
 その言葉に全員が動き出す。
 雄介は自分の手に負った傷を、目の前の誰もいないドラッグストアに入り、絆創膏を貼った。他のSAT隊員や警官達も同じ様に習う。井上も額に絆創膏を貼りその上から包帯を巻いた。
「井上さん、マスク!」
 雄介はドラッグストアに有った通常のマスクを井上に渡す。
「これ、大丈夫なんか?」
「大丈夫、無いよりはマシっス。ちゃんと周りから入らない様にテープで止めて」
 雄介は自分もマスクを付けると走り出した。
「おい!」
 井上は叫ぶが、それに構わず雄介は走って行った。







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