クライシス
雄介は身を屈めていた。当たったか?雄介がそう思い体を探るが、特に痛みはない。
 すると、目の前にいたイの体が崩れ落ちる。
 驚きながら見ると、イの胸に赤い穴が広がる。
 雄介が慌てて振り向くと、そこには銃を構えたSAT隊員と井上が立っていた。
「大丈夫か?」
 ガスマスクを装着した井上が言った。
「遅いっスよ」
 雄介はヘタリ込んだ。
 防菌服を来た警官隊が入って来た。そして、イの遺体の周りに集まった。
 由香が震えながら泣いていた。雄介はゆっくり由香に近付いてロープをほどく。
「ゆ、雄介……」
 由香が震えている。
「大丈夫。安心して」
「わ、私……ウイルス……ウイルスに……」
「うん。大丈夫」
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