クライシス
「はい・・・」


雄介が答える。


「先程電話をした木下だ、付いて来なさい」


そう言って先に歩き出す。


雄介は受け付けの人に笑った。


「あ、見つかりました、すんません」


受け付けの人も雄介を笑って見送った。


木下と雄介は無言でエレベーターに乗った。


雄介は今からどんな事を言われるのか不安であった。


「その恰好・・・」


木下が呟く。


「はい?」


「何故その恰好なんだ?」


雄介は革ジャンにジーパン姿であった。


「いや、出勤途中なもんで・・・」


木下は溜息をつく。


お前がすぐに来いって言ったんだろ・・・


そう思いながらエレベーターを降りて木下に付いて行く。


一つのドアの前に着くと、木下はノックした。


「失礼します!」


木下の後に付いて雄介も会釈しながら部屋に入った。


部屋の中には、7人位の制服を着たお偉いさんらしき人間がいた。


その中に科捜研の所長もいた。


そして、一人の偉いさんは中央の席に座っている。この中で一番偉いんだろう。


その人は、どこかで見た事が有る顔だ。


「市橋雄介君か?」


席に座った一番偉い男が呟く。


「はあ・・・」



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