クライシス
雄介が気の無い返事をすると科捜研の所長が焦った顔で言った。


「敬礼しろ!長官の前だぞ!」


長官・・・?


・・・・


・・・・警察庁長官?????


雄介は慌てて敬礼をした。


長官は警察で一番偉い人だ。


よく警視総監と混同されるが、警視総監は警視庁のトップであり、警察のトップでは無い。


警視総監より偉い人が、この警察庁長官なのである。


前回、国家安全保障会議に出席していたのも、この長官である。


「まあ、良い・・・市橋君」


警察庁長官の篠原は雄介を呼んだ。


「今回、君を呼んだのは・・・・」


篠原がそこまで言うと雄介は突然叫んだ。


「すいませんでした!!!」


そう言って頭を下げる雄介に全員がキョトンとした。


木下は慌てて雄介に言う。


「いやいや・・・何・・・してんの?」


「とりあえず・・・お詫びを・・・」


「なんで?」


木下が引きつった笑みを浮かべている。


「何かしたのかね?」


長官の篠原が笑いをこらえて聞いた。


「あ・・・科捜研の車をこすった事ですよね・・・」


雄介が言うと木下は叫んだ。


「そんな事で長官がお前を呼び出すか!!!」


「あれ?違うんスか?」
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