クライシス
-11月20日06:30-

東京都千代田区警視庁仮眠室・・・


雄介は一睡も眠れないまま警察庁の隣の警視庁仮眠室で夜を明かした。


俺が・・・北朝鮮に・・・?


昨晩・・・と言うより日付は今日の朝方だが、木下から正式に雄介の北朝鮮同行の命が告げられた。


雄介は何も言えずにただ黙ってその命令を聞いていた。


それから二谷と共に警視庁の仮眠室での睡眠を言われたが全く眠れなかった。


ただひたすら、その命令の事を考えていた。


もちろん北朝鮮に行くのは密航である。


もし北朝鮮当局に捕まれば、拷問を掛けられる・・・そして殺される・・・


そんな危険な任務に一警視庁の技官である自分がしないといけない・・・


無理だ・・・!


自分にはそんな事を勤まらない・・・


そもそも、俺は何の特殊訓練も受けていない。


殆ど民間人と変わらないんだ。


ただの研究員だ・・・


雄介は起き上がり、そっとベッドを出た。


下のベッドでは二谷がいびきをかきながら眠っている。


よく眠れるもんだ・・・


雄介はそのまま、そっと仮眠室を出た。


そしてそのまま誰にも見つからない様に警視庁も出て行く。


外に出ると、朝のまぶしい光が雄介をさした。


雄介は決めた。



逃げよう・・・



そう思った。


俺は知らない・・・
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