クライシス
そう決めて雄介は戻って来た。


全員起きて各々の業務を行っていた。


誰一人雄介にどこに行ってたか聞く者はいなかった。


今朝の事を思い出していると風が吹いた。


川沿いは風がキツイ・・・


「どこに行くんスか?」


耐え切れずに雄介は聞いた。


さっきから道の横には塀しか見えない。


どこかの工場だろうか?

「北へは・・・俺とお前と・・・もう一人で渡るつもりだ・・・」


「もう一人?」


「そう・・・ソイツは北に熟知していて、必ず役に立つ・・・ソイツの所に今から行く」


「へー、近いんスか?」


「隣だ」


そう行って二谷は塀の方をアゴで示した。


「隣・・・この塀の向こうっスか?」


「そう・・・文字通り・・・塀の向こう側だ・・・!」


二谷はそう言って雄介に笑いかけた・・・



この塀の向こうには・・・




東京拘置所だ・・・





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