クライシス
「コチラでお待ち下さい」


係員はそう言って部屋を出た。


二谷と雄介はドラマに出て来る謁見の場にいた。


「何をキョロキョロしてる?」


二谷が雄介に聞く。


「いや、マジでドラマ見たいっスね」


雄介はハシャイだ。


「差し入れは無いがな」


二谷は笑う。


「刑務所ってこう成ってんねや・・・」


思わず雄介が関西弁で言う。


「刑務所じゃない、拘置所だ」


「刑が確定してない犯罪者が居る場所・・・でしたっけ?」


「そう・・・それと東京拘置所はもう一種類居る・・・」


「もう一種類・・・?」


「そう・・・」


二谷がそう言った時・・・ガラスの向こう側の部屋のドアが開いた。


中に丸刈りの60歳位の男が入って来た。


年寄りにしては屈強なガタイで顔は精悍な顔付きで肉食獣の様相を呈していた。




「コイツみたいな・・・死刑囚だ・・・!」





そう二谷が言った時、男はギロリと二谷を睨んだ。




「久しぶりだな・・・三宅!」



三宅と呼ばれた男は「チッ」と舌打ちをして


「テメエか・・・」


そう呟いた・・・


彼は三宅一郎・・・二谷が北朝鮮に渡って逮捕にこぎつけた・・・


元赤軍リーダーの男であった・・・!
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