かけがえのない唄
4
つかの間の平穏
……だったのかもしれない
───第4話
「純、その左手の薬指の指輪、公の場では外せよ」
曲作りの為に、Moon Lightが、あたし達の家に集まっていた日。
一休み、と休憩に入って、珍しく幼なじみ四人だけでテーブルを囲んでコーヒーをすすっていたら健ちゃんがそんなことを言い出した。
「分かってるって、健。俺そこまでヘマしないし」
当たり前、のように純が言った。
「ならいいけど。ついでに妃菜もな」
と。上の空で二人の会話を聞きながら、誕生日に貰ったペアリングを見てニヤついてると健ちゃんに話を振られた。
「え?あたしも?」
脳内トリップしていたあたしは、突然話を振られ、パニックになる。
「大学の友達に彼氏紹介して、なんて言われてみろ。純連れていく訳にはいかねーだろ。嘘つくのは妃菜が傷つくんだからな」
やっぱり、健ちゃんは何でもお見通しだ。そしてあたしにまでちゃんと気を回してくれる。
昔からで、健ちゃんはあたしと純には、お兄ちゃんのようにいろいろ気を使ってくれる。
当たり前過ぎて何とも思わなかったけど、今なら、健ちゃんにありがとう、ってそう思える。
「はぁーい」
でもあたしは。
健ちゃんの言葉を聞きながらも、脳内トリップから抜け出せないでいた。
勿論。
「え、純と妃菜、ペアリングなんかしてたの?」
という悟のアホ発言と
「気づいてなかったのかよ、アホ」
純の毒舌と
「俺も美優ちゃんとペアリングしたーい、なんていうなよ」
という健ちゃんの冷静なツッコミがなされてるなんて気づくはずもなく。
……だったのかもしれない
───第4話
「純、その左手の薬指の指輪、公の場では外せよ」
曲作りの為に、Moon Lightが、あたし達の家に集まっていた日。
一休み、と休憩に入って、珍しく幼なじみ四人だけでテーブルを囲んでコーヒーをすすっていたら健ちゃんがそんなことを言い出した。
「分かってるって、健。俺そこまでヘマしないし」
当たり前、のように純が言った。
「ならいいけど。ついでに妃菜もな」
と。上の空で二人の会話を聞きながら、誕生日に貰ったペアリングを見てニヤついてると健ちゃんに話を振られた。
「え?あたしも?」
脳内トリップしていたあたしは、突然話を振られ、パニックになる。
「大学の友達に彼氏紹介して、なんて言われてみろ。純連れていく訳にはいかねーだろ。嘘つくのは妃菜が傷つくんだからな」
やっぱり、健ちゃんは何でもお見通しだ。そしてあたしにまでちゃんと気を回してくれる。
昔からで、健ちゃんはあたしと純には、お兄ちゃんのようにいろいろ気を使ってくれる。
当たり前過ぎて何とも思わなかったけど、今なら、健ちゃんにありがとう、ってそう思える。
「はぁーい」
でもあたしは。
健ちゃんの言葉を聞きながらも、脳内トリップから抜け出せないでいた。
勿論。
「え、純と妃菜、ペアリングなんかしてたの?」
という悟のアホ発言と
「気づいてなかったのかよ、アホ」
純の毒舌と
「俺も美優ちゃんとペアリングしたーい、なんていうなよ」
という健ちゃんの冷静なツッコミがなされてるなんて気づくはずもなく。