【短編】少年と少女と美術館の龍
だけどそんな共存も人間の進化と文化の成長に比例して廃れ、無視され、放棄され、崩壊した。


崩壊の先に何が待っていたと思う?


答えは簡単だ。


新たな関係の確立さ。だけど共存なんてものじゃあない。


狩る者と狩られる者だ。前者は人間。後者は『龍』。


乱獲が始まったのだ。


鱗、牙、角、翼、眼、肉、卵、皮、骨


それら全てが人間の欲望の対象。


それから半世紀もしないうちに地球史上最強と謳われた生物『龍』は地球史上最凶の生き物『人間』に滅ぼされたのだ。


ただ一頭を残して。
< 10 / 27 >

この作品をシェア

pagetop