【短編】少年と少女と美術館の龍
龍種最後の一頭、東方世界ではポピュラーな蛇のような長い体が特徴の『龍』は美術館に保管されている。


「私達人間の犯した自然への冒涜行為。それを忘れるな」


なんて名目の下、『龍』は集金効果を見込まれ今は見せ物に成り下がっている。


時代が流れれば流れる程、生きた『龍』は珍しくなり更に集客力を増すだろう。


人間にとっては最高のパートナーだ。


生きていても、滅んでも、最後の最後まで利益を出せるのだから。


人間の欲望の果て、世界最後の『龍』。


それが美術館の『龍』なのだ。
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