【短編】少年と少女と美術館の龍
「さよなら、アーネル」
絞り出した声は夜風に流されて消えた。
遠くで『龍』の哭き声が響く。
ルーティエにはそれが別れの挨拶のように聞こえた。
手を下ろし、アーネルと龍の消えていった方を見つめる。
雲はやはり一点もなく、無垢な月明かりが世界を照らしている。
月明かりは夜闇を泳ぐアーネルと『龍』も照らしてくれてるだろう。
彼らの旅路が安寧なものであってほしい。
ルーティエは願う。
いつか彼らが無事に帰って来て。と。
絞り出した声は夜風に流されて消えた。
遠くで『龍』の哭き声が響く。
ルーティエにはそれが別れの挨拶のように聞こえた。
手を下ろし、アーネルと龍の消えていった方を見つめる。
雲はやはり一点もなく、無垢な月明かりが世界を照らしている。
月明かりは夜闇を泳ぐアーネルと『龍』も照らしてくれてるだろう。
彼らの旅路が安寧なものであってほしい。
ルーティエは願う。
いつか彼らが無事に帰って来て。と。