【短編】少年と少女と美術館の龍
私の後ろでアーネルはどんな顔をしてるだろう。


喜んでくれてるだろうか。私に出来る精一杯の応援。


不意に背後から声がした。


「ありがとう、ルーティエ!!」


アーネルの声は弾み、子供の様に感情をストレートに伝える。


やっぱりアーネルは子供ね。つくづくそう思う。


ルーティエは振り返らず、ひらひらと手を振るだけに留めた。


破顔してるだろう自分の顔を見られぬように。
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