【短編】少年と少女と美術館の龍
自然界の龍
『龍』が歴史に現れたのは二千年も前の書物からだって言うのは結構有名な話だ。


だけど『龍』が世界から姿を消したのはいまいち判然としない。


ルーティエとアーネルが生まれた頃にはもう野生の『龍』は存在せず、既に過去の生き物。それこそ空想の生き物になっていたのだ。


だけどお爺さんやお婆さんなんかに話を聞くといやに懐かしそうに、遠い目をして言ったのだ。


昔はその辺に結構いた。と。
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