ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

「公演も終わったんだし、そろそろいいだろ…?」




「ちょっ…、やめてってば…!」




私は花束を落とし、トモシの手を払おうとしたけど、


トモシは「やめない」と言って、そのまま私の横顔に自分の頬をくっつけてきた。




手は私の上半身を撫で続けている。




「……っ!」






久々にトモシの息遣いと体温とを感じて、


真っ白になった頭の隅で、私はぼーっと考えていた。






…やっぱり、


私みたいな愚かな女は、


トモシレベルの低俗な男にしか求めてもらえないのかな…。






ウシオへの届かない心を満たしてくれるのは、


やっぱりトモシだけなのかな…。
< 111 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop