ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
「公演も終わったんだし、そろそろいいだろ…?」
「ちょっ…、やめてってば…!」
私は花束を落とし、トモシの手を払おうとしたけど、
トモシは「やめない」と言って、そのまま私の横顔に自分の頬をくっつけてきた。
手は私の上半身を撫で続けている。
「……っ!」
久々にトモシの息遣いと体温とを感じて、
真っ白になった頭の隅で、私はぼーっと考えていた。
…やっぱり、
私みたいな愚かな女は、
トモシレベルの低俗な男にしか求めてもらえないのかな…。
ウシオへの届かない心を満たしてくれるのは、
やっぱりトモシだけなのかな…。