ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

「君の方から会いたいって言わないことと、俺の家庭を壊すようなことをしないって約束してくれるんなら、なんとかできると思う…。それでどう…?」


「え…?」




突然の話に、何て返せばいいかわからなかった。








そのまま無言で立ち尽くしていると、


彼がいきなり私を抱きしめてきて、私達は初めてキスをした。






…驚いた。




私があわてて彼から離れると、


ちょうど店員がお昼を運んで来たので、


私達は取りあえずまた席に着いた。




「せっくだから食べようか?」


「あ…、そう、ですね…」




私達は気まずい雰囲気の中、それぞれ割箸を手に取った。




「いただきます」


「いただきます…」




私達はしばらく無言で食べ続けた。
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