ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
それでも事が終われば、トモシに感じていたのと同じ虚しさや苦しさが心を占めた。
ウシオがサキさんとの婚約を周囲に宣言してしまった以上、
私は彼に堂々と会ったりすることができないのだ。
ホント、トモシと付き合っていたときと何も変わらなかった。
…やっぱりウシオはサキさんと結婚して、
私はこのまま都合のいい女にされちゃったりするのかな…？
やっとトモシへの気持ちに決着をつけられたっていうのに、
私はまた惨めな日陰者を演じなきゃいけないの…？
そんなことを思うと、どうしたってやりきれなかった。
再度自分がウシオから身を引けば済む話だと思ったけど、
ウシオに会えば会うほどそんなことはできなくて、
結局私はトモシを好きになったときと同じ過ちを繰り返していた。
