ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
一方、私はサキさんに連絡を取って、結婚式の2次会の準備を始めていた。
誰が送ってくれたのか、ウシオのお父さんとサキさんのお父さんの名前で結婚式の招待状が届いたので、
こちらもそろそろ動かなければと思ったからだ。
とりあえずはパーティ会場の確保。
ウシオの好みを考えて、おいしいお酒が飲めそうなドイツ料理のお店に予約を入れることにした。
それから招待状の印刷と発送、
プログラムの内容やビンゴ大会の景品を考える。
ウシオのことだからきっと3次会までやりたくなるだろうなと思って、
パーティ会場付近のカラオケ店まで予約してやった。
一体自分は何をしてるんだろうと思ったりしたけど、
これが私とウシオの恋の結末なんだと自分に言い聞かせると、涙は一滴だって出てこなかった。
サキさんのお父さんはウシオと別れたらそれなりに何か考えてくれると言っていたので、
私は今年異動願いを出していなかったけど、
お偉いさんの力で来年度からどこか遠い、ウシオとサキさんの新生活を目にしなくてもすむような土地へ飛ばしてもらおうと思っていた。