ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
そのうちに“トーコ”としてウシオに抱きしめられたり告白されたりするシーンに突入した。
客席にサキさんがいたら申し訳ないなと思ったけど、
これはあくまでも演技だからそのへんはサキさんも割り切ってねと思いつつ、
なんとかウシオとの共演を終わらせた。
2時間という時間があっという間に流れ、無事緞帳が下りると、私達はロビーに出て客出しを行なった。
観に来てくれてた両親が「よかったよー」と声をかけてくれて、友達から差し入れや花束をもらったりした。
初日の今日、サキさんは来てなかったみたいで、私は彼女と顔を合わせずにすんだ。
ほっとしつつその後のミーティングに臨むと、
アンケート用紙に〔トーコさんよかったです〕とか書いてくれてる人がいて、
役者としてこの上ない喜びや充実感を味わうことができた。
…しかし、
そんな気分も束の間、
輪が解散されてから、私はウシオにダメ出しをされてしまうのだった。