ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
仕方ないよね、
自分がバカだったんだから…。
私は手にしていた紙袋をゴミ箱へ捨てようとした。
…と、そのとき。
ドアが軽くノックされたかと思うと、
私が返事をする前に「失礼します」と言う声がして、ドアがゆっくり開いた。
「マユコさん…?」
入ってきたのはサキさんだった。
「なんだ、ここにいたんですね。ロビーにいないんで探しちゃいました」
そう言って彼女は微笑んだ。
「あ…」
私はとっさに紙袋を長机に置くと、急いで彼女に頭を下げた。
「あの…、さっきはごめんなさい…。ウシオにあんなことしちゃって…」
芝居とはいえ、自分の男が他の女にキスされるのを見るのは、誰だっていい気がしないだろう。