ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

稽古が再開されてからも、私はもらった役に納得できずに落ち込んでいた。




今日のメニューは与えられた役での本読みにとどまったけど、


私はあまりの出番のなさにかなり落ち込んでしまった…。



なかなか気合いが入らなくて、


ガンさんに「マユコ声小さい!」と怒られたくらいで…。




稽古後の反省会でもブルーなのが明らかだったようで、


解散後、ウシオが


「マユコどうした…?今日なんか元気なかったじゃん」


と声をかけてくれた。




「もしかして、さっき俺が告ったせい?」




「…は?」


「それでどうしようか悩んでたんだろ?」




…相変わらずウシオは勘違いヤローだったが、


そのときの私は、ウシオの胸でもいいから借りて泣きたいほどにへこんでいた。




「違うよ…。ただ今日のキャスト発表に納得できなくて沈んでただけ…」




そう言って出口に向かおうとすると、




「そっか…。じゃあ、これから飲みに行かない?」




とウシオが追いかけてきた。




「え…?」


「気晴らしくらいにはなるだろ…?愚痴とかあれば聞いてやるしさ」
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