ハイスクールラブ
ぶつかりそうになる瞬間にこらえる。真奈美は壁に手をついて前のめりになる。155センチの真奈美のおでこが紘季のあごにこつんと当たった。

「・・・何か用?」

紘季が真奈美の顔を覗き込む。


(ヤバイ!バレたかな!?)

「さっきから俺のことずっと見てなかった?」

真奈美は上目で紘季を見上げた。

「・・・名前は?」

紘季がタバコに火をつけて尋ねる。

(バレてない・・・そうだよね。未成年が来ていいトコじゃないもん)

「真奈美」

フー・・・と煙を吐く。真奈美の顔を煙が直撃する。

不意に紘季が屈んで真奈美にキスした。

「・・・っ!」

ぬるりと舌が入り込む。

タバコと酒の匂いがする。
真奈美は信じられなかった。
紘季がこんなに軽くキスしてしまうことにも、今まさに自分と『藤代先生』がキスしていることにも頭がついていかなかった。

紘季が歯を立てて真奈美の唇を甘噛みした。
紘季のキスに真奈美は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
真奈美たちがキスしているのをまわりの誰も気にすることなく通り過ぎる。

「ん、んん・・・」

徐々に激しくなるキスに真奈美は紘季にしがみついた。
背中を優しく撫で回す。真奈美はどきどきしてされるがままに従った。

「・・・うち来る?」

紘季が唇を離して囁いた。
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