子猫からの贈り物
『‥‥ほんと、ご主人の言うこと聞かないと君もぼくみたいに捨てられるよ?』


うぅ、もう限界だ。


後ろに引っ張るわたしの口と、前へと進む太郎くんのお尻。


わたしの口元が緩んだ瞬間、わたしと太郎くんは地面に倒れこんだ。


それを見ていた子猫は
『ほらね、言わんこっちゃない』という顔してる。


「ポ、ポチ子!!!」

普段はあまり怒鳴ることのない太郎くんの怒鳴り声がキーンと耳に響く。


『ほらね、だから言っただろ。君もおばかだね』


そんな子猫の言葉にムッときた。

そして『違うわよ!』私も怒鳴る。


隣に横たわる太郎くんは足の膝から見える赤い血を見ながら「うーん」とうなってる。

痛そう。


『わたしは、アンタの為にやってるの』


ぽかんとこっちを見てる子猫。

かまわず続ける。


『SOS聞こえたのよ』

『‥‥‥』

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