da capo
「da capo」

ヒロくんはレイが最後まで歌うとそう言ったの。

「もう1回繰り返したほうがいい」

なんで?って顔してレイが彼を見つめていると、知識なんて関係ない、簡単な言葉で説明してくれたわ。

「サビで終わるより、da capoして繰り返したほうが、レイの声の印象が残るから」

そうやって、アレンジを続けていったの。




その晩は、レイの中で最高の思い出になったわ。

アパートの大家さんに怒られるまで、レイとヒロくんは歌い続けたの。

次の日、レイは寝坊してバイト先の店長に怒られたけれど、そんなの全然気にならなかったわ。

早く家に帰って、ヒロくんと歌の続きを歌いたかった。
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