da capo
――え?
今、レイはどうしているのかって?

そうね、……彼女はもう数十年前に引退したわ。

彼と作った歌をずうっと夢中で歌い続けて、気付いたら、もうかなり年を取っていたの。

引退してからは、いつしか歌も歌わなくなってたわ。



だから、レイはもう存在しないのよ。

レイは歌手ですからね。

今は、きっと、ただのおばあちゃんでしかないわ。



――そうね、でも……不思議と、レイは後悔はしてないと思うのよ。

歌手として素晴らしい人生を送れたのだから。

むしろ、感謝していると思うわ。

大切なものに気付かせてくれた出会いに、歌う楽しさを教えてくれた彼にね。
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