answerS
「…完全には信じられなかったけど、夢太と居ると本当なんだなって思うよ…俺」
一瞬チカが何のことを言っているのかわからずポカーンとしていると、僕達が話しているのを興味なさげに離れた所で見ていたシッキョウがチカの隣に腰を降ろした。
「暮羽が本当はかなりの悪人だったってこと」
チカから夢太さんとのこと色々聞かされたんで、…そう言ってシッキョウは自分の銃に弾を込め始める。
僕は単純に自分の言ったことを少なからず信じてもらえて、自分の存在を肯定して貰えたように思えて嬉しくて。
チカの発言の重大性を理解していなかった。
チカは口に空になった紙コップをくわえたまま、隣に居るシッキョウにもたれかかる。
シッキョウはそんなチカに一瞬眉間に皺を寄せたが退かそうとはしない。
「夢太はさ、今まで何人人を殺したんだ?俺達は急所を外して撃つように仕込まれているから重傷は負わせることはあっても、人の命は奪ったことが無いんだ」
一瞬ドキっとしたけどチカの言葉にはトゲがなく、僕を責めている訳では無いみたいだった。
シッキョウもチカの質問に興味があるのか顔を上げて僕を見る。
「…一番最初に初めて人を殺した日の夜は怖くて眠れなかった、でもそんなの最初だけ。
僕はソレだけしかなかったから…
いろんな事に対するやるせない、どうしようもない気持ちをただぶつけてたよ」
なに言ってんだろ…、そう思っても言葉が勝手に出てきてしまう。
本当は誰かに知って欲しいと言う気持ちがずっとあったのかもしれない。