answerS


“普通”の人間の視点で考えることが今だに出来ない自分に腹が立つのと同時にウチに帰る道のりが余りにも長いことに落胆してしまった。


…大丈夫

希望が無くなった訳じゃない。

必死で自分にそう言い聞かせた。


シッキョウの肩に頭を乗せて目を伏せ、コンクリートの床を見つめるチカに少しの違和感を感じた。


その違和感の正体が僕を絶望に落とすなんて僕がわかる訳がなかった。












「…アレジ、帰るの…もうしばらく遅くなりそう…」

そう弱音を吐く僕にアレジはなにも聞き返さずにそうか…、と静かに相槌をうった。



今日は天気も淀んでいて空気も重かった。

暗い空を覆うように灰色の雲が埋め尽くしていて、星はおろか月も見えない。



“…そうだな、今日は天気が悪いから…余計に気分が重くなる”


僕はアレジの言葉に空を見上げた。


この重苦しい灰色の雲がアレジとノイローの所に続いているのだと考えると、途端に愛着が湧いて来るから不思議だ。




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