answerS
「でもノイローに教えて貰った方が僕よりもわかりやすいでしょ?」
“ちょっ、夢太君聞いてくださいよーっノイローさん酷いんですよっ?!”
ノイローの事をあの人は鬼だ悪魔などと騒ぐ星男に反論するノイローの声が後ろから小さく聞こえる。
“あの人には思いやりって言葉が欠けてますよっ、俺が懸命に練習している隣でいびきかいて寝て、うるさいって言って頭殴るんですよ?ありえます?!”
…うーんそれは確かに理不尽だ、ちょっと星男に同情。
“普通なら努力している可愛い後輩にエールは送ってもいきなり殴ったりしませんよねっ?!”
「うん、しない。本当にごめん、なんかものすごく申し訳なくなった」
“もう何なんですかね大人の癖に。っ痛い痛いっ!!なんで蹴るんですかっ、この人完璧子供ですよっ?!!夢太君カムバー…ック…”
ノイローに蹴られているらしく声が途切れ途切れに聞こえる。
星男から受話器をひったくったのかノイローの声に変わった。
「ノイロー、それは余りにも星男が可哀想だよ」
“いいんだよ、コイツMだから”
非難する僕を気にした様子もなくケロッとそう言ってのけるノイローの後ろで、違いますよーっと言い返す星男の弱弱しい声が聞こえる。
それを言われるとそうなのかな、と納得できてしまう。