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翌日、いきなり暮羽さんから呼び出しがかかった。
今日の分の仕事の封筒はすでに受け取っていたし、仕事でヘマをした覚えもない。
僕は訳がわからず、相変わらず威圧感のある暮羽さんの部屋の床を見つめた。
よくわからないけど、ものすごく嫌な感じがしたから暮羽さんの顔をよく見れなかった。
暮羽さんはデスクに寄りかかりながら僕の方を見る。
「予定していた今日の仕事はすべて明日にまわす。別の仕事が出来てしまったからな」
淡々とそう説明する暮羽さんに僕は大きく胸を撫で下ろした。
なんだ…仕事の変更の事だったのか。
「それでその別の仕事って言うのは何なんですか?」
新しい封筒をくれる気配のない暮羽さんにそう聞き返すと、暮羽さんは大げさにため息をついて見せた。
「今日俺がココに来るのを寝ずに待ち構えていた奴がいるんだよ…」
そんな物好きな人が居るんだ、などと呑気に考えていた僕だったが、次々と暮羽さんの口から発せられる言葉に次第に体が凍るような違和感がジワジワと僕の体は蝕んでいく。
「なんの為にその子はそんな事をしたと思う?」
見当もつかないので僕は首を横に振る。
それに暮羽さんが“その子”と言ったのがなんだかひっかかった。