answerS
「…夢太が俺達との約束を破らない事は知ってるよ。でも…夢太が帰る事を望んでも奴が…暮羽がそれを許さなかったら?」
アレジの問いに昔の事を思い出した。
俺達の中では暮羽と言う男のイメージは最低最悪だ。
それは夢太越しに見ているせいでは有るが俺達は確信を持っている。
それだけ俺達と夢太の出会いは酷かった。
何も言わない俺にアレジはソファの背もたれに寄りかかり窓の外に視線を移した。
「…さっきまで…天気よかったのにな」
そう言って窓の外を見つめるアレジの横顔を見て俺も視線を窓の外に移した。
今…こいつが何考えてんのか手に取るようにわかる。
夢太と出会った時の事を思い出してんだろ…?
あの日は丁度…今みたいに重苦しい天気だったからな…
俺は短くなった煙草を灰皿に押し付けた。