微熱
――と、思ったときだった。
気付いたらユキの顔が近くにあって、唇がすごく熱くなって。
あたしはユキとキスをしていた。
なにが起きたのか理解できないまま唇が離れて、ユキは目を合わせようとしない。
「……悪い」
そのまま走り去るユキに、あたしは何を言えばいいかもわからなかった。
ユキにケーキ作りを頼んだのは、ユキ以上に上手な人を知らなかったから。
頼まれたら断れない人だから。
親身になって一緒に考えてくれるから。
"……悪い"
なのにどうして胸が苦しいの?
抱きしめられたから?
キスされたから?
――謝られたから…?
ユキ、教えてよ。
ケーキ作りよりそっちのほうが知りたいよ。
気付いたらユキの顔が近くにあって、唇がすごく熱くなって。
あたしはユキとキスをしていた。
なにが起きたのか理解できないまま唇が離れて、ユキは目を合わせようとしない。
「……悪い」
そのまま走り去るユキに、あたしは何を言えばいいかもわからなかった。
ユキにケーキ作りを頼んだのは、ユキ以上に上手な人を知らなかったから。
頼まれたら断れない人だから。
親身になって一緒に考えてくれるから。
"……悪い"
なのにどうして胸が苦しいの?
抱きしめられたから?
キスされたから?
――謝られたから…?
ユキ、教えてよ。
ケーキ作りよりそっちのほうが知りたいよ。