RIRIA
完璧なステップ。優雅な振る舞い。
そして見つめ合う2人には、
どこか艶やかさがあり、
会場の誰もが、2人のダンスに見入った。
「あの2人が、結婚なさるって本当かしら」
「陛下は、幼い頃から王女様のお相手はリアトレーゼン様と決めてらっしゃるそうよ」
貴婦人たちのそんな会話が耳に入った。
ふ、と微笑みが洩れる。
全くそんな話、
どこの誰から聞いてくるのやら。
そんなこと、あるはずがないというのに。
「リア、どうかしました?」
「いいえ、それより、疲れていませんか?」
「少しだけ……」
「では、少し休みましょうか」
くるりと回転した所でダンスを止めて、
再びエリザベスをエスコートして歩く。
給仕の者にワインを頼もうと、声を掛けた瞬間だった。
会場の灯りが一気に消えた。
人々のどよめきと共に、何かが割れる音。
女性たちの悲鳴が上がる中、リアはエリザベスを壁のほうへと寄せ、しっかりと身を寄せた。エリザベスも、リアのイヴニングコートを不安げに掴んでいる。
「かっ、海賊だっ!」
会場の紳士の誰かが、そう叫んだ。
そして見つめ合う2人には、
どこか艶やかさがあり、
会場の誰もが、2人のダンスに見入った。
「あの2人が、結婚なさるって本当かしら」
「陛下は、幼い頃から王女様のお相手はリアトレーゼン様と決めてらっしゃるそうよ」
貴婦人たちのそんな会話が耳に入った。
ふ、と微笑みが洩れる。
全くそんな話、
どこの誰から聞いてくるのやら。
そんなこと、あるはずがないというのに。
「リア、どうかしました?」
「いいえ、それより、疲れていませんか?」
「少しだけ……」
「では、少し休みましょうか」
くるりと回転した所でダンスを止めて、
再びエリザベスをエスコートして歩く。
給仕の者にワインを頼もうと、声を掛けた瞬間だった。
会場の灯りが一気に消えた。
人々のどよめきと共に、何かが割れる音。
女性たちの悲鳴が上がる中、リアはエリザベスを壁のほうへと寄せ、しっかりと身を寄せた。エリザベスも、リアのイヴニングコートを不安げに掴んでいる。
「かっ、海賊だっ!」
会場の紳士の誰かが、そう叫んだ。