キミと、世界の果てまで。
クロスを力いっぱい握るあたしの手には、じんわりと汗をかいている。
それ程に、今のあたし緊張しているという事。
返事が返ってこない事に不安になり、あたしはそっとレンの顔を視界に入れる。
レンは…
あたしに優しく笑いかけていた。
「ミライは思ったよりもしっかりしてるんだな」
「な…!それどういう事!?」
「周りへの配慮も、俺達の事も、きちんと考えてくれて嬉しかった。…了解、ミライの作戦に乗る事にするわ」
「本当…!?」
「というか、それしか方法が無いだろ。時間が無い。さっさと俺に掴まれ」
両手いっぱいに手を広げたレンの胸の中に、あたしは一気に飛び込む。
首に手を回した所で、レンはあたしの身体を力いっぱい抱きしめてきた。
「行くぞ、ミライ」
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