キミと、世界の果てまで。
少し息が乱れる。
ハアハアと荒く呼吸を繰り返していると、クロスの杖があたしの視界を遮った。
驚いて、あたしは咄嗟に後ろへと後退りする。
「お前、腐れ縁のヤツに話したみたいだな、チャーム集めの事」
腐れ縁―――クロスが指し示しているのは、完全に寛司の事だ。
寛司…
あたしを好いてくれている、唯一の大切だと思える腐れ縁。
激しく揺れる心情を覆い隠すように、あたしは普通を気取ってクロスに接する。
「は、話したけど…ダメだった?」
「俺はミライを叱る為に夢の中に現われた訳ではない。…忠告しに来たのだ」
「忠告!?」
思わずオウム返しをしてしまったあたしに対して、クロスは変わらない表情で静かに頷く。
またひとつ、嫌な予感が増えていく。
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