キミと、世界の果てまで。



―――あたし、最低だ。


レンは元々異世界の人で、騎士の中でもお偉いさんで、きっとレンの住んでいる世界の人々は、レンの生還を心待ちにしている人も多いはず。



そう、心の中では分かっているつもりなのに。



レンにいつまでも傍に居て欲しい、

チャームなんか集まらなければいいのに、



そう思う自分が存在している。そして、欲望に満ち溢れている自分が、どうしようもなく憎い。




「赤のチャームがどんな攻撃をしてくるのか、俺には予想が付かない。だけど、全力で戦おうな」



「うん…」




レンは、地球を離れるという事に、きっと抵抗はないんだろうな。


だって、レンには帰る場所があるのだから―――




「レン…」



「何だ?」



「今度さ、時間があったら、レンの世界の話が聞きたいな」




だから、この胸に焼き付けておこうと思う。


“レン”という異世界の人間に恋をしている今を、そして、この一瞬を。




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