キミと、世界の果てまで。



「本当は、これからもミライの傍で、人生を過ごしたかった」



「え…?」



「お前と過ごしていく毎日は、とても新鮮で、俺が異世界の騎士だという事を忘れるくらいだった」




レンはこれから、あたしに何かを伝えてくれようとしている。


一言一言を、あたしは聞き逃す事の無いよう、必死に耳を傾けた。




「でも俺には帰る場所がある。もう此処には居てはいけない存在なんだよ」



「レン、身体がっ…!」




あたしの身体を支えてくれているはずのレンの手が、少しずつ透けていく。


それは手だけでは無く、ゆっくりと背中、足、そして顔まで浸透していた。



きっと―――もうすぐレンが居なくなるという合図だろう。




「ヤベ…もう時間が無いみたいだな」



「レン…レン…」



「そのまま話を聞いてくれ。大丈夫だから、俺はミライに言いたい事を全て話してから帰るから、な?」




レンは透けかけている自分の手で、あたしの顔を包み込んだ。




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