キミと、世界の果てまで。



「おはよ、未来。今登校か?」



「…裏切り者の寛司に、馴れ馴れしく話しかけられたくない」



「って、俺が先に行った事怒ってるのかよ」



「もちろんじゃない…!あたしはね、昨日寛司を救―――」




そこまで言いかけて、あたしはハッとし、口を塞ぐ。


今、ポロッと本音が出ちゃった…。




「なんだよ未来。言いたい事あんなら言えって」



「あ…ははー!も、もういいから!気にしないで寛司…っ!」



「変なヤツ」




寛司から痛々しく浴びせられる視線に耐えながら、あたしは必死に作り笑いを浮かべる。


冷や汗が大量に流れ出したのは、夏の気候のせいだと言い訳する事にしよう。




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