ヒサイチ

「ヒサイチ君には私の感覚は分からないよ。私自身でさえ何でそんなだったのか自分を疑い始めているくらいなんだから」

「色々と反省や後悔をしている最中なのか?」

「それはないよ。私の性格からしてきっと通らなければならなかった道なんだと思うよ。例え相手が元彼でなくてもね」

「そうか」


ヒサイチの表情はいちいち小気味よい。


少し驚くと薄い瞼が引き攣る。


何か言う度に口角が少し上がる。


その表情から決してかれが仕方なく私と今、一緒に過ごしているのではない事が分かる。


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