時には、こんな始まり方も
「じゃあさ、今までにもあったの?今日みたいな事。」



「記憶が無くなるのは、しょっちゅう…。でも、いつもちゃんと家に帰ってるか菜々の所に泊まってて。ホテルなんて初めてで、自分でもびっくりしてる。」


話してて虚しくなって来る。自分の不甲斐なさを伝えなきゃいけないなんて…。
これじゃ、本当にただの酔っぱらい女だよ…。



「そうだろうね。」




『そうだろうね。』
って、何が?

不思議に思っているとマサ君は話続ける。


「『ホテルなんて初めて』ってやつ。だって雫さ、見た目からも行動からも、酔ってる様になんて思えないから。かなり飲んでるのはわかってたけど、普段と変わらなかったし。
ただ自分は覚えていないだけで、いつも通りの行動が出来てるんだと思うよ?
だから、雫から誘わない限りはそんな風にはならないと思う。
ただ、毎回記憶が無くなるって知ったからには、これからは俺が一緒の時以外は酒は禁止にするけどな。」


「呆れてないの?」



「呆れてないよ?今言った通り、俺にはいつもの雫と同じに見えたから。
ただ、すっげえ積極的だった♪」



ちょっと意地悪な瞳をして笑うマサ君。


嬉しい、でもかなり恥ずかしい。


今の話をまとめたら、
"自分からホテルに誘ってかなり積極的だった。"
って事になる訳で。


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