【短集・ホラー】白紙の小説
「隣の方はトラックに跳ねられて重傷でした……手術するのが大変だった………だが、努力のおかげで、隣の方はいかれる」
…何だコイツ………
「さっきからいかれるって何だよ!?俺は何で今日手術なんだ!?」
俺の罵声に、医者は怯えもせず、冷静でいた。
「やれやれ……ここまで魂がハッキリしているのは初めてですよ……」
………………は…
「何つった?」
……………魂……?
「病院は、死にそうな人を生かすためにあります。体の弱い人や悪い人の手術をし、元気な体にさせる……」
医者は話し出す。
「この病院は、普通の病院とは全く逆なのです。事故や病気で魂と体が離脱してしまった方が居る病院……」
ガクガクと
震えだす体
冷や汗をかきだす体