お嬢様と執事さん


「なに?連さん、姉さんになに言われたの?」


「え?えっと……秘密です」


人差し指を口にあて、パチンとウィンクしてみせた。その仕草がまたスッゴくカッコイいから、一瞬見とれてしまった。


「連さんってズルい……」


そう告げると、連さんはキョトンとした顔をして、首を傾げた。


そういう連さんの仕草ひとつひとつに、毎回ドキドキしてしまう。


「お嬢様、そろそろ会場に向かいましょう。」


「あ、うん」


さり気なく、手を引いてくれてリードしてくれる。


女の子なら、男性のこういうさりげなさに惹かれてしまうもの。


ふと、連さんに想われる女性は幸せだなと思った。


連さんに手を引かれ、会場の入り口につく。


緊張で心臓がバクバクしてる。


「お嬢様」


頭上で優しい連さんの声。


「大丈夫ですよ。今日来た方々の中で、一番お嬢様がお綺麗です。自信を持って、今まで覚えてきたことをやればいいんです。」






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