Advance
「な・・・何!?」
その人は中年の女性だった。
その人は銃を落とした何故なら・・・
「へっへーん☆命中率100%!?スゲーだろ?」
それは裂君の仕業だった。
裂君の手には自分が愛用している玩具があった。
それはY字型の木にゴムの付いた玩具・・・
俗に言う“パチンコ”だった(ストリングショットと言う武器に似せた物)。
女性は驚きつつも自分の落とした銃を見る。

コロコロ・・・

その横には銀色の弾・・・パチンコ玉が転がっていた。
どうやら、裂君はそのパチンコ玉をその女性の手に命中させたみたいだ。
「(凄い・・・あんな玩具で正確に手の甲に当てるなんて・・・)」
僕もそこまでは予測していなかったので驚くばかりだ。
とにかく、マスターの暗殺は防いだ・・・


と、思っていたが、まだ終りではなかった。
「チッ!?」
「あっ!?」
僕とした事が油断をしていた。
一瞬の隙をつかれて僕は女性に首を掴まれ、捕まった。
要は人質として捕まったのだ。
「このガキ・・・殺してやる・・・」
「うっ・・・」
僕は恐怖に襲われた。
それでなくてもこの女性の心は遠くに居ても読めてしまうのに、こんなにも密着されたら余計に読めてしまう・・・


『殺してやる、殺してやる、殺してやる・・・』

『もう少しだったのに・・・』

『何で私ばかりが・・・』



読み過ぎて気持ち悪い・・・


この人の心は負の感情でいっぱいだ・・・


「秋人!?」
「大人しくしな!?コイツがどうなってもいいのか!?」
パチンコを再び構える裂君に女性はそう怒鳴る。
更には鞄の中からナイフを取り出して僕の首筋に付きつけた。
「どうせ、務所行き決定だ・・・だったらお前を道連れに・・・」
「くっ・・・」

もう駄目だ・・・

殺される・・・

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