身代わり姫
ただ金を散りばめただけのような、下品な応接間に、安い服を身につけたみずぼらしい女が所在なげに立っていました。

領主が少ない威厳を示そうと背を反らして、女に妖精の涙を見せてみよと言いました。


女は慌てて、小さな宝石箱を差し出し、領主は勿体ぶって箱を開きました。


「おお。これは……」


そこにはまさしく、若いあの日に見た妖精の涙が。

小さな玉を取り巻く魔力は、間違いありません。


「女。これをどこで手に入れた? 盗品か?」


パメラは領主の手から箱を取り上げて、平伏している女に言いました。


「め、滅相もございません!!
これは私の義理の娘が持って帰ったもんでして。山で妖精に会って、もらったと申しますんです」


「妖精に? では、妖精に愛でられた娘だと言うことか?」


妖精に愛でられた娘。
パメラも古い魔術書でしか見たことがありません。

今やお伽話になっているような、そんな事が本当に?


「女、ここでしばし待て。領主殿、こちらへ」


パメラは女を一人部屋に残して、領主を連れて別の部屋に行きました。


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