ネットワークライダー『ザイン』
「仕方ない……。代田(シロタ)助教授。鴻上博士の後を継ぐ者に心当たりはないのか?」
彼女は鴻上の助手だった代田を呼び付け、今後の展開を探ろうとしていた。ところが……。
「ふふふ、イゾルデ副総帥。心当たりも何も、僕が完成させておきましたとも」
代田は天然パーマの前髪を人差し指にクルクルと巻き付けながら、上目遣いにイゾルデを見上げた。
「なにっ? それは本当か?」
眉根を寄せ、難しい顔をしていたイゾルデの表情が、途端に明るくなる。
「はは、本当も何も、今夜のニュースで解ると思いますよ? 僕の怪人第1号『クロコダイル·ダンディ』を大阪に転送してみましたから。鴻上博士ではここまで早急に仕上げる事は出来なかったでしょう」
神社で変質者を襲ったのは、代田が作り出した怪人だったのだ。彼は続けて付け加えた。
「ソフト化した戦闘員とアプリケーション化した動物を掛け合わせ、戦闘員の命に乗せて転送するのです。
各地にマテリアル·トランスファー·デバイスを設置すれば、我々の思い通りに怪人を出現させる事が出来ますよ」
イゾルデは満足気に頷いた。
「なるほど。我々のURLを使っている者をそそのかせばそれも容易いだろう。
その方法は私が考える。代田助教授は引き続き研究を推し進めてくれ……ん?」
代田の視線に気付いたイゾルデは睨み返すが、そんな事には気も留めず、彼は露出した肌を舐め回すように眺めて言った。
「これが成功すれば僕よりも貴女にとって名誉となる筈。
それなりの報酬が頂けますよねぇ」
「それはどういう事だ? 何が望みなんだ」
代田は口角を上げ、あからさまにイゾルデの胸元を凝視しながら言う。
「フフフ。例えばもっと副総帥に可愛がって頂ける、とかですよ。
貴女ももう後が無いんですから、僕とは仲良くしておいた方が得策ですよ?」
ブルルッ
そのいやらしい視線に曝されて身震いしたイゾルデだったが、彼が言うように過去に犯したネット戦略での失敗を取り返す為には、それも致し方無い事だと思い直した。
「考えておこう。しかし、絶対口外はしないように」
「フフフ。勿論解ってますよ、貴女の立場を危うくする訳にはいきません。4Wは世界の覇者となるのですから」
代田は舌舐めずりをしながらも淡々と答えた。その様子を見ながらイゾルデは、彼から施される様々な凌辱を想像して目眩を覚えている。
【何だ? 身体の芯から熱くなるこの感じは……私はこの男に抱かれる事を望んでいるのか?】