からんころん

「けどこいつ、ある日突然うちらを裏切ったんだよなー」

「そうそう」

「私は…」

「助けてやったのによぉ！」

「あなたたちは私を利用してただけじゃない！番長だなんて思ったこともないくせに！」

「ほぉ～、言ってくれるねぇ。恩をあだで返す気か!?」



実果子は胸ぐらをつかまれた。



「やめろ！」



晴紀が振り払った。



「おや？千夏の兄貴熱くなっちゃって、こいつに惚れてんのか!?」

「いい子ちゃんの実果子番長も前科のあるやつと付き合うなんて、結局不良の番長だったんだな！」



そう罵る男を実果子は押しとばした。



「ってぇ～…ほぉらね」

「あんたに何がわかんのよ!?お兄さんはねぇ…」

「いいよ実果子ちゃん。俺のことは」

「ヒューヒュー」



集団が冷やかしだした。



「…そんなことより千夏ちゃんはどこ!?千夏ちゃんを返して！」

「千夏はおめぇのもんなのか？」

「そ…そうだよ！」

「ふっ、おい千夏～。元番長がこうおっしゃってるけど？」