からんころん

「てめぇら…散々利用しておいてその言いぐさ…!」

「知らねーよっ!あ、よかったら兄貴がここに入らねぇ?ほら、殴ってみ?今度は傷害で捕まるか?」

「ガッハッハッハッ」

「……………」



晴紀は一瞬振り上げた拳をぐっとしめ、ゆっくり下ろした。



「あーおっかし。おぅ兄貴、とっとと妹連れて帰れよ。その代わり実果子は残れ」

「なんだって!?」

「昔の借りもある。勝負しようぜ実果子元番長」



そう言ってかおりはロープを振り回している。



「…わかった。お兄さん、千夏ちゃんを連れて帰ってください」

「実果子ちゃん!」

「私は大丈夫ですから…」

「はっはっはっ。とゆーことだから黒いおにーさん。そこのベイビー連れて消えて」



かおりの合図で、実果子は集団にもみくちゃにされ、晴紀と千夏は店から締め出された。



「ちょっと…!開けろ!実果子ちゃん……」



いくらドアを叩いても無反応。



「くそっ……!」



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