からんころん

「俺は何も…」



ーカチャッ



「…!」



その時、鍵が開く音がした。
即座に晴紀がドアを開けると、



「うわぁっ…」



ドアにもたれていた実果子がふにゃっとなって晴紀に倒れこんできた。



「実果子ちゃん!」

「実果子っ!おいっ!」

「った……」

「ん?何!?」

「私…勝ったよ千夏ちゃん…だからもう……」



実果子はそれだけ言って、そのまま目を覚まさなかった。












「…くっせーっ!!」

「我慢しろよこれくらい…」

「これくらいじゃねぇとんでもねぇよ!」

「そぉだよ!大人のお兄ちゃんにはわからないんだよ」

「だいたいおめぇのせいだろうがよぉ!」

「…っもういちいち責めないでよー!」

「まぁまぁおまえら喧嘩すんなって」

「俺もう我慢できね。このままじゃアルコール臭中毒になっちまう」



晴紀宅は、部屋中酒の臭いが充満していた。


それくらい大量に酒を飲んだ実果子は、晴紀の所に寝かされている。



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