からんころん

「千夏ちゃん…」

「私もうめちゃくちゃだ…」

「そんなことない!大丈夫」

「何の根拠があってそんなこと!?受験はしなかったし何回も補導されたし卒業すら危うい…もう終わりだ…」

「そんなことない…」

「そんなことあるよっ!」

「そんなことない!」

「あるんだってば!」

「ないっ!」

「……強情だなぁ」

「お互いさまでしょ」

「ふっ……」



険しかった千夏の表情が緩んだ。



「大丈夫。なんとかなる…うっ」



実果子は急に、口を押さえうずくまった。

そこへ誠也が帰ってきた。



「ただい…おいっ、どうしたんだ!?おめぇまたこいつに何かしたのか!?」

「はぁ!?何もしてないよっ!」

「ごめん!たぶんお酒のせい。ちょっと気持ち悪くて…」

「ほらぁー!」

「何がほらだよ、おめぇこいつにちゃんと謝ったのか?」

「な…何を!?」

「いいよ、誠也くん…!」

「………っ」

「あっ千夏ちゃん!」



千夏は意固地になり、帰ってしまった。



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