からんころん
学校はもう夏休みも終わりの頃、久しぶりに実果子へ千夏から連絡があった。
『今度の土・日、夏休み最後だしさ、どっか行こうよ!』
「本当に!?行こう!あ…でも土曜日…」
『お兄ちゃんも引っ張ってこう。運転してもらってさ』
「お兄さんをいいように使おうってことね?」
『その通り!』
「はははっ、楽しみだねぇ。ところでどこ行くの?」
『浜田の海辺にうちの別荘があるの。そこでいい?』
「うん!」
実果子は飛び跳ねて喜んだ。
何よりも千夏が電話をくれたことが嬉しかったのだ。
そして週末がやってきた。3人は中央公園で待ち合わせをしていた。
実果子は嬉しくて、早めに着いてしまった。
久しぶりに千夏に会えると、ドキドキしている。
まるで恋人を待つかのように…
「へい彼女!」
待っている間、実果子は男に声をかけられた。
「あっ…なんだぁ!ナンパかと思ってビクッとしたよ!」
誠也だった。
「はっはっはっ、誰がおまえみたいなのナンパするんだよ?」
「失礼ね!これでもねぇ…」
「はいはい、わかったから。で、こんなとこで何してんだ?」